やっぱりドキュメンタリーってスゴい

昨日深夜、読売テレビで素晴らしいドキュメンタリー番組をやっていた。
「ふたりの桃源郷
山口放送制作。

終戦直後、何もないところからその夫婦は山を切り開き、山で暮らすことを決意。自給自足の生活を始める。
取材を始めたのは平成2年(だったかと)。それから夫婦の17年間を追う。

取材開始当初、夫の寅夫さんは77歳。妻は73歳。


たまたまつけたテレビだったが、目が釘付けになる。
この夫婦、生命感にあふれていて、夫はちょっと小泉元首相似で、細身だが男っぽい。妻は愛嬌があって愛らしい。即、感情移入してしまう。

もう既にここで普通じゃない。尋常じゃない。
一般人の夫婦を17年間追ったドキュメンタリーって・・・・。
そして、77歳と73歳の夫婦を17年間追ったら、番組の結末は・・・。すぐに想像できてしまう。

もうこのあたりから泣けてくる。

二人で始めた山の暮らしは、やがて子供が出来、家族を呼び寄せ、賑やかなものとなる。
しかし、娘達を学校にやり、きちんと育てるために一度は山を下りる。
そして子供たちを一人前に育て上げ、もう一度決意をする。これからはまた、山で、二人で暮らそうと。

二人にはずっとそのまま元気で仲睦まじく暮らし続けて欲しいと願うが、17年はやはり長く、二人は老いていく。
・・・番組終わるまで涙があふれっぱなしだった。

本当に素晴らしい作品だった。色んな意味で。
人とはなにか?生きるとは?幸せとは?
人はなぜ感動するのか?
同じ映像制作に携わる立場の人間として、映像作品の持つ力。意味。
・・・てなことを考えても考えなくても否応無しに感動させる力技。

いつからだろう。ここ10年ぐらいか。
映画、ドラマ、バラエティ、エンターテインメント、アート・・・。
映像にも色んなジャンルがあるが、最も強力なのはドキュメンタリーだろうと。思うようになった。
なんてことのない番組で、ちょっとしたコーナーのちょっとしたドキュメンタリーで、不覚にもほろっとしてしまう・・・てなことはちょくちょくある。
意味なく感動してしまうことも。
確かに良い映画もあるよ。良い映像作品は色々。でもな。ドキュメンタリーは強いわ。

しかしこの夫婦ドキュメンタリー、すげーよ。参りました。